平成28年度 第一回定例会 代表質問(2016年2月17日)

目次

はじめに

皆さん、こんにちは。

自民党の梅沢でございます。

私はこの場に立たせていただくのが2年ぶりでございます。ここから見る議場の風景というのは、1期の皆さんが29人も入っていらっしゃったり、また、皆さんの議席札、これが箱根の寄木細工仕様に一新したと、議会としての箱根の復興支援ということがあるんですけれども、ここから見る議場は大変新鮮になったなと思います。

そして、新たな気持ちで、自民党県議団を代表して、しっかりと質問をしてまいります。どうぞしばらくの間、ご清聴のほどよろしくお願いします。

まず、質問に先立ち、一言申し上げます。

北朝鮮が4回目の核実験を行い、その後さらに弾道ミサイルの発射を強行したことは、我が国の安全に対する脅威であり、北東アジア及び国際社会の平和と安全を著しく損なうものとして断じて容認できることではございません。

こうした中、北朝鮮は、2月12日、拉致被害者を含む日本人の行方不明者の調査を全面的に中止し、調査を行う特別調査委員会を解体すると発表しました。このことは、一日も早い拉致問題の解決を願うご家族の心情を踏みにじるものであり、極めて遺憾であり、北朝鮮からの拉致被害者の早期救出の実現に向け、全力で交渉に取り組むよう、我々も政府に対して働きかけてまいります。

それでは、質問に入ります。


県政課題に対する知事の基本姿勢について

質問の第1は、県政課題に対する知事の基本姿勢についてであります


ヘルスケア・ニューフロンティアの推進について

初めに、ヘルスケア・ニューフロンティアの推進について、3点伺います。


ヘルスケア・ニューフロンティアの展開について

1点目は、ヘルスケア・ニューフロンティアの展開についてであります。

知事が、ヘルスケア・ニューフロンティアを提唱して約3年、この間、最先端医療関連産業や未病産業の創出、イノベーションを支える国際的医療人材の養成など、さまざまな政策に取り組んできたと認識をしております。

この1年間においても、未病コンセプトを国内外に発信した未病サミットの開催を初めとして、未病産業のすぐれた商品・サービスを認定するME-BYOBRANDの創設、再生・細胞医療の産業化の拠点となるライフイノベーションセンターの整備など、さまざまな施策が進められてきました。

また、国際展開においても、再生・細胞医療分野における世界有数の研究支援機関である英国のセルセラピー・カタパルトとの覚書が締結されるなど、ネットワークの広がりが見られるところであります。

一方で、このヘルスケア・ニューフロンティアについては、非常に幅の広い政策であることから、これに取り組むことで何が実現できるのかといった具体的なイメージを持つことが難しく、成果が見えるまでに時間を要するなど、課題もあると言わざるを得ません。

ヘルスケア・ニューフロンティアが重要な政策であることは理解するところでありますが、県民からすると、何を目指しているのか、何がもたらされているのかといったことがわかりづらいと感じています。

そうした中、昨年10月に開催された未病サミットでは、議論の成果として未病サミット神奈川宣言が採択され、今後の取り組みの方向性が示されました。次の展開に進めていくに当たっては、県民にとってのわかりやすさという視点も必要であると考えます。

そこで、知事に伺います。

知事がヘルスケア・ニューフロンティアを提唱してから3年が経過しようとしている中で、次の展開をどのように進めていこうと考えているのか、知事の見解を伺います。

【知事答弁】ヘルスケア・ニューフロンティアの展開についてです。 本県では、県民の健康寿命の延伸を図るとともに、新たな産業の創出などによって、神奈川から経済のエンジンを回すヘルスケア・ニューフロンティアの取り組みをこれまで全力を挙げて進めてきました。 具体的には、未病の学術的な議論や未病産業の最新動向を国内外に発信する未病サミットの開催や、再生・細胞医療の実用化、産業化に向けた殿町における拠点形成、岩盤規制を突破するための国家戦略特区の獲得など、今後の展開に向けた環境づくりを進めてきたところです。 そうした中、未病サミットで採択した未病サミット神奈川宣言では、超高齢社会という人類共通の課題を乗り越えるための今後の取り組みの方向として、持続性ある新たな社会システムの形成などが示されたところです。 そこで、今後は、ヘルスケア・ニューフロンティアのネクストステージとして、未病サミット神奈川宣言を速やかに実行していきます。 具体的には、個人が自分の未病状態をチェックし、その改善に主体的に取り組む行動変革を起こすため、マイME-BYOカルテを中心としたヘルスケアICTシステムの構築に取り組みます。 また、ヘルスケアロボットや、4月にオープンするライフイノベーションセンターを中心とした再生・細胞医療の実用化など、さまざまな先進技術の追求や未病の科学的なエビデンスの確立に向けた取り組みも進めていきます。 さらに、メディカル・イノベーションスクールの設置、人材交流を初めとするWHO-世界保健機関との連携といったヘルスケア・ニューフロンティアの実現を支える人材育成の取り組みも進めてまいります。 これらの実現に必要な事業を平成28年度予算案の中に盛り込んだところであり、一日も早くその成果が県民の皆様に届くよう、今後、未病を機軸とした取り組みをさらに加速させていく考えです。 こうした取り組みを進めていくためには、県民の皆様の理解が何にも増して重要です。ヘルスケア・ニューフロンティアが県民の皆様にご理解いただけるよう、私みずからが先頭に立って取り組んでまいります。

ライフイノベーション国際協働センター(GCC)の解散と今後の展開について

質問の2点目は、ライフイノベーション国際協働センター(GCC)の解散と今後の展開についてであります。

一般社団法人ライフイノベーション国際協働センター、略称GCCは、平成25年4月、当時の京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区における、国際戦略の強化を目的に県主導で設立され、ライフサイエンス関連の企業を会員として、会員企業の製品や技術の海外展開の支援を中心に事業を展開してきました。

また、海外の関係機関との覚書の締結といったネットワークを構築するなど、ヘルスケア・ニューフロンティアの一翼を担ってきたものと認識をしております。

このような中、GCCは、昨年12月の総会において、約3年間の活動の中で一定の役割を終えたとして法人を解散することとし、去る1月末をもって解散したところであります。

開設後わずか3年での法人の解散は、県民に対し、政策が後退したとの印象を与えかねません。GCCの解散という事実を重く受けとめ、まずはこれまでのGCCの活動の成果、そしてGCCがなし得なかった点をしっかりと整理し、成果を引き継いでいくことが必要であります。

また、新たな国際展開の体制について、県が積極的にリーダーシップを発揮するとともに、十分に先を見通して慎重に構築していくこと、さらに、その目指すところや県内への便益について、県民にわかりやすく伝えていくことが重要であると考えます。

そこで、知事に伺います。

特区における国際戦略の強化を目的として設立し、3年間の活動を経て今般解散したGCC-一般社団法人ライフイノベーション国際協働センターについて、これまでの活動の成果、及び、なし得なかった点をどのように認識をしているのか、また、これらを踏まえ、今後どのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。

【知事答弁】ライフイノベーション国際協働センター─GCCの解散と今後の展開についてです。 医療やヘルスケアなどの成長産業を伸ばすためには、県内企業のすぐれた技術や製品を海外の市場に積極的に展開していく、あるいは海外のすぐれた技術を全国に先駆けて取り入れていくことが大変重要です。 そうした考えのもと、GCCはライフサイエンス産業の国際展開をサポートする団体として、県が主導的な役割を果たして設立されました。 GCCは3年間の活動の中で、シンガポール、米国、欧州の関係機関と連携・協力に関する7件もの覚書を締結するなど、本県の強みである国際的な協力体制、いわゆるプラットホームの構築に大きく貢献しました。 加えて、会員企業とともに積極的に海外に出向き、例えばシンガポールでは、薬事承認に向けた現地の病院での治験につなげるなど、すぐれた技術、製品を海外に展開する産業化支援においては、大きな成果を上げてきました。 しかし、設立当初に掲げたそれ以外の事業目的、例えば海外との共同研究や、国際展開をサポートできる人材の育成、国際戦略に関する政策提言といった取り組みは、GCCの運営体制の中では十分になし得なかったと認識しています。 GCCではこうした状況を踏まえ、会員企業が検討を重ねた結果、国際的ネットワークや産業化支援について成果を上げ、一定の役割を果たしたことから、社員総会において一般社団法人を解散するとの結論に至ったと伺っております。 一方、ヘルスケア・ニューフロンティアをさらに進めていくためには、こうした企業支援にとどまらない取り組みが重要となってきており、新たな社会システムの構築に向けて、国際展開においても県が一層積極的にかかわっていくことが求められています。 そこで、今後は県が中心となり、今まで十分でなかった国際共同研究や人材育成に加え、未病産業の国際展開などの新たな課題にも対応する推進体制を構築します。 その第一歩として、まずは来年度から、多くの企業や研究機関、大学などが参加するコンソーシアム、協議会を設置することを考えています。 さらに、GCCが海外の関係機関と締結してきた覚書など、重要なネットワークについては、これを県がしっかりと継承し、私自身がトップセールスを行うなど、引き続き国際的な協力体制の強化に努めてまいります。

メディカル・イノベーションスクールについて

質問の3点目は、メディカル・イノベーションスクールについてであります。

知事は、これまでヘルスケア・ニューフロンティアを実現するためには、イノベーションを起こすことができる国際的な医療人材の養成が不可欠であるとし、その養成機関であるメディカル・イノベーションスクールの設置に向けた取り組みを進めてまいりました。

昨年10月の未病サミット神奈川宣言においても、未病を治すための県民の行動変革を支える人材育成の重要性が示されたところであります。

そうした中、メディカル・イノベーションスクールの開設を目指し、県立保健福祉大学の大学院に新たな研究科を設置し、人材養成に取り組んでいく方針が明らかとなりました。

そこで、知事に伺います。

このメディカル・イノベーションスクールで、ヘルスケア・ニューフロンティアの実現を担う人材の養成に、具体的にどのように取り組んでいくのか、また、スクール設置の目標時期とあわせ、知事の見解を伺います。

【知事答弁】メディカル・イノベーションスクールについてです。 私はヘルスケア・ニューフロンティアを実現するために、社会システムや技術の革新を起こすことができる国際的な医療人材を養成するメディカル・イノベーションスクールの設立を強く提唱してきました。 このスクールでは、具体的には、国内外の研究機関と連携し、未病に関するエビデンスの構築に向けた研究を進めることで、未病を科学的に解明し、世界に発信することができる人材を養成していきます。 また、新しい医薬品などの安全性や有効性の科学的評価、いわゆるレギュラトリーサイエンスやICTロボティックスなどの専門的知識を有し、最先端医療、最新技術を担うさまざまな分野のすぐれた人材も養成します。 このため、スクールの教授陣には、国内外から多彩な学問領域の人材を招聘するとともに、独自のカリキュラムを策定するなど、先進的な教育を実現していきます。 現在、メディカル・イノベーションスクールの設置に向けた基礎的な調査を行うとともに、来年度からの新たな庁内組織の立ち上げのための準備を進めており、具体的なカリキュラムの検討や教員候補者の選定など、開設に向けた作業を本格的に開始したいと考えています。 そして、おおむね平成31年を目途に、県立保健福祉大学大学院に新たな公衆衛生学研究科修士課程の設置を目指していきます。これにより、ヘルスケア・ニューフロンティアの取り組みを加速化させ、超高齢社会を乗り越える神奈川モデルを構築し、世界に向けて発信してまいります。

地方創生に係る交付金について

次に、地方創生に係る交付金について伺います。

国は、平成27年度補正予算において地方創生加速化交付金を、平成28年度当初予算において地方創生の深化のための新型交付金、いわゆる地方創生推進交付金を創設いたしました。

これらの交付金は、地方版総合戦略に基づき、地方創生を推進する各自治体の自主的、主体的な取り組みを後押しするための財政支援であり、地方の創意工夫によって活用することが求められています。

県は総合戦略を年度内に策定するとしていますが、昨年12月に示された素案には、成長産業の創出・育成や就業支援、県内への移住、定住の促進のほか、結婚、出産、子育て支援や健康長寿のまちづくりなど、人口減少に歯どめをかけ、超高齢社会を乗り越えるための幅広い施策が掲げられていました。

総合戦略に実効性を持たせ、着実に進めていくためには、事業を推進するための財源の裏づけが必要であり、厳しい財政状況の中にあっては、国の交付金を最大限に活用して取り組んでいくことが重要であります。

そこで、知事に伺います。

今回、国の補正予算と当初予算により、それぞれ措置される交付金について、どのように活用していこうと考えているのか、知事の見解を伺います。

【知事答弁】地方創生加速化交付金についてです。 この交付金は、本年1月の国の補正予算において、一億総活躍社会への緊急対策の一環として措置されたもので、地方創生を推進するために施策効果の高い事業を対象にするとされています。 また、国庫負担が10分の10というメリットがある一方、先駆性があるものという要件が設定され、国が事業を採択するに当たっては、特に官民協働、政策間連携、地域間連携を重視した審査を行うとされています。 そこで、本県では、こうした要件に該当する事業に活用することとし、人口減少地域の対策である県西地域活性化プロジェクトや三浦半島魅力最大化プロジェクト、地域振興を促進するかながわシープロジェクトなどの取り組みを選抜して、2月補正予算に盛り込んだところです。 次に、地方創生推進交付金は地方創生の中心となる交付金で、地方からの要望を受けて創設されたものですが、国庫負担が2分の1となってしまった一方で、最長で5年間の継続事業にも活用できる制度になりました。 ただ、交付要件は地域再生計画を策定して国の認定を受ける仕組みとなってはいますが、現時点で国がまだ制度設計を行っている途中であるため、本県では対象事業の選定すらできない状況となっています。 本県では、この交付金について、複数年かけて実施する主要な事業に活用したいと考えていますので、制度の詳細が明らかになり次第、速やかに対応し、神奈川らしい地方創生を促進してまいります。

新たな企業誘致施策について

平成28年度当初予算案で示された新たな企業誘致施策、セレクト神奈川100には、今後、市場の創出や拡大が見込まれる成長産業をメーンに、製造業以外の業種にも支援対象を拡大することや、県外、国外から企業を呼び込むために新たに補助金を創設することなどが盛り込まれています。

大切なことは、施策の構築に加えて、実際の企業誘致に結びつけていくことであり、新しい企業誘致施策を、外国企業も含め、より多くの企業に活用してもらうことです。

本県は交通の利便性が高く、東京を含む巨大市場も近い上に、研究開発機関の集積も進んでいます。さらに、企業で働く従業員にとっても、居住環境や子供の教育環境が整っています。こうした本県の優位性を最大限に生かし、誘致活動を実施していくことが重要な視点であると考えます。

そして、企業の進出を待っているのではなく、新たな企業誘致施策を武器に、攻めの誘致を行っていくことが重要であります。神奈川の経済をさらに活性化するため、どういった企業を誘致するのか、ターゲットを絞って、積極的に企業誘致活動を展開していくことが必要と考えます。

また、実際に企業を誘致する際には、企業のニーズに即した土地を用意しておく必要があることから、そうした土地を確保していくための施策も不可欠であります。

そこで、知事に伺います。

新たな企業誘致施策について、その実効性を高めていくために、どのように取り組みを展開しようと考えているのか、知事の見解を伺います。

【知事答弁】新たな企業誘致施策についてです。 新たな企業誘致施策、セレクト神奈川100では、県外、国外からの企業誘致を促進するため、最大で10億円の補助制度等を創設することとしています。 今後はこの補助制度等を最大限に活用しながら、誘致のターゲットとする企業を絞って、攻めの誘致活動を展開していきたいと考えています。 具体的には、未病産業、ロボット産業、観光産業など、成長が見込まれる産業において、市場をリードしていけるような先進的な企業の投資の動向や、県内での事業展開の可能性等を調査し、誘致候補とする企業を選定していきます。 そして、誘致候補とした企業に対しては、それぞれ担当職員を決めて新たな補助制度等を説明するほか、個々の企業の多様なニーズに応じたきめ細かな支援を行っていきます。さらに、私みずからが誘致に向けたトップセールスを精力的に行ってまいります。 また、企業誘致の実効性を高めるためには、県内の土地利用の状況を把握し、企業誘致の受け皿となる産業用地を用意しておくことに加え、個々の企業の立地条件に合った新たな産業用地をタイムリーに確保していくことが重要です。 そこで、土地利用に関する規制を緩和し、市街化調整区域のうち、インターチェンジ周辺の幹線道路の沿道等に工場の立地を認めるなど、産業用地を生み出していく施策も進めていきます。 こうした施策を戦略的に展開することで、県外、国外から4年間で100件の事業所を誘致する目標を達成してまいります。

東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組について

次に、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組について、2点伺います。


オリンピック・セーリング競技開催に向けた取組について

1点目は、オリンピック・セーリング競技開催に向けた取組についてであります。

今年は、ブラジル・リオデジャネイロでオリンピック・パラリンピック競技大会が開催されるオリンピックイヤーであります。リオ大会で機運がますます高まり、よい流れで4年後の東京大会が迎えられるよう、リオ大会の成功を願ってやみません。

しかし、報道によると、リオ大会開催には気がかりな点があり、特にセーリングに関しては、水質の問題などが指摘をされています。こういった課題を克服し、すばらしい大会となることを期待するとともに、セーリング競技会場となる江の島では、準備に万全を尽くさなければいけないと改めて感じているところであります。

東京大会の運営主体は、公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会であり、県は最終的な決定権限を有していないとのことでありますが、セーリングは2年前からテストイベントがあり、他の競技に比べると、1年早い準備が必要となります。

そうした中、県は、会場のレイアウトや競技海面について組織委員会と調整を進めるため、神奈川県会場プラン(調整素案)の検討を開始し、昨年12月に中間報告を公表いたしました。

今年度中に会場プランをまとめるとのことですが、藤沢市や地元関係者などに丁寧に説明を行い、湘南港に保管されているヨットや漁業関係など、江の島の実情を踏まえた大会準備を進めることが重要であると考えます。

そこで、知事に伺います。

神奈川県会場プラン(調整素案)中間報告の公表以降、関係者に対し説明を行ってきたと承知をしていますが、どのような意見があったのか、また、会場プラン策定に当たっては、関係者の意見を十分に反映し、組織委員会と調整を進めていくべきであると考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。

【知事答弁】オリンピック・セーリング競技開催に向けた取り組みについてです。 オリンピック・セーリング競技を成功させるには、トップアスリートが最高のパフォーマンスを発揮できる会場整備や競技運営が必要です。こうした会場整備等は、湘南港のヨット等の移動、保管や江の島近海の漁業活動にも影響しますので、関係する方々と丁寧に調整することも必要です。 そこで、県では、江の島の実情を反映した会場整備を大会組織委員会に提案するための神奈川県会場プラン(調整素案)を作成することとし、昨年12月、その中間報告を公表しました。 その後、湘南港の利用者など、関係者の方々との意見交換会を開催したところです。会場では、多くのご意見などをいただきました。 まず、湘南港の利用者の方々からは、ヨットを移動するスケジュールや移動場所を早く明確にしてほしいなど、活動に支障が生じない対応を求めるご意見をいただきました。また、漁業者の方々からは、競技時間やレースエリアを避けて操業できる工夫をしてもらいたいなど、大会と漁業活動を両立するためのご意見もいただきました。 さらに、江の島の事業者の方々からは、セキュリティー対策による立入規制などで事業活動に影響が及ぶのではないかといった不安の声も伺いました。 今後、県としては、こうしたご意見をしっかりと受けとめながら、会場プランの成案を作成し、実際の会場整備、競技運営に反映できるよう、大会組織委員会との調整に臨んでまいります。

パラリンピアンの育成について

質問の2点目は、パラリンピアンの育成についてであります。

先月開催されたサッカーのオリンピックアジア最終予選で見事優勝を果たし、リオ大会への出場権を獲得した23歳以下日本代表チームの活躍は、日本全体を明るくし、元気づけました。チームの主将を務めた遠藤航選手は神奈川で育った選手であり、彼の活躍に胸を躍らせた県民も多かったと思います。

オリンピックのみならず、パラリンピックにおいても、神奈川育ちのパラリンピアンが活躍する姿は、県民に大きな感動と勇気を与えると思います。

知事は、昨年1月に発表したかながわパラスポーツ推進宣言の中で、2020年のパラリンピックを神奈川から盛り上げていく取り組みを推進するとしていますが、そのためには、神奈川育ちの多くのパラリンピアンが活躍することが重要であります。

東京大会で神奈川のパラリンピアンが活躍することで、パラリンピックや障害者スポーツへの県民の関心や理解が深まるとともに、障害者がスポーツに親しむきっかけとなり、障害者スポーツの裾野の拡大にもつながると思います。

一方で、パラリンピックを目指す障害者アスリートは、遠征や合宿に要する費用など、競技生活を続けていく上で、経済的な負担も大きいと伺っています。

使用する競技用具についても、障害の状況などに応じて改良に改良を重ねる必要があるなど、障害者アスリートならではの苦労や負担も多く、パラリンピアンの育成にはきめ細かな支援が必要であります。

そこで、知事に伺います。

2020年の東京パラリンピック競技大会に向けて、今後どのようにパラリンピアンの育成を支援していくのか、知事の見解を伺います。

【知事答弁】パラリンピアンの育成についてです。 私は、東京2020パラリンピック競技大会において、神奈川育ちのパラリンピアンの活躍を県民総ぐるみで応援することで、パラリンピックを一気に盛り上げたいと考えています。 そのためには、今から、有望な選手を強化合宿や国際試合への出場などを通して育成していくことが必要です。 しかし、障害者スポーツの競技環境は大変厳しいものがあります。例えば、日本パラリンピアンズ協会が行ったパラリンピアンへのアンケートでは、用具代や遠征費など、競技活動に係る年間の個人負担額は、ロンドン大会の出場者では平均約130万円にも上っています。 また、パラリンピアンが所属するスポーツ団体やクラブ等は規模が小さく、財政的にも余裕がないなど、パラリンピアンの育成に向けた十分な支援が難しい状況にあります。 そこで、県では、来年度から新たに2020年の東京パラリンピック競技大会への出場が有望な障害者アスリートを対象に、強化合宿や遠征などの競技活動に要する経費を支援していきたいと考えています。 あわせて、将来有望な選手を発掘するため、障害者スポーツ団体等と連携・協力して、新たにパラリンピック競技の体験会を開催し、アスリートの育成へとつなげていきます。 この4月から設置するスポーツ局において、新たに障害者スポーツを専門に担当するセクションを設け、しっかりとした体制のもと、パラリンピアンの育成に取り組んでまいります。

再質問

それでは、答弁を受けまして、再質問をまず3点させていただきたいと思います。

1点目は、ヘルスケア・ニューフロンティアの展開についてでございます。

この政策は大変幅広で、そして将来的に成功すれば相当な効果があるということはあっても、知事みずから、今おっしゃいました県民理解が何より大切だということで、一般の県民からすれば、全体像というんですか、そういうことが非常にわかりにくいというのを、よく耳にするんです。いいことはいいんだろうけれども、わかりにくいから、それを何とか簡潔に説明する方法はないかというのが県民のじかの声でございます。

そこで、県民理解をさらに進めるために、知事がみずから説明しに行くということもありましたが、具体的にどのように取り組んでいくのか、まずお伺いをしたいと思います。

次に、2点目でございますが、メディカル・イノベーションスクールについてでございます。

メディカル・イノベーションスクールの人材養成の取り組みについて、基本的な考え方は伺いましたが、果たして大学の修士課程だけで、人材養成ができるのかというのが率直な疑問でございます。

例えば、人材養成の効果を高めるために、先進的な取り組みを行う海外の大学や研究機関との連携が不可欠であるかなと思います。知事の見解を改めて伺いたいと思います。

3点目は、新たな企業誘致施策についてでございます。

セレクト神奈川100、新たな企業誘致施策が始まる。その中で、特に記者発表資料を見ると、観光産業-先ほど答弁がありましたが、観光産業の中にホテルという言葉が出てきます。インバウンドの増加ということで、宿泊施設が足りないという流れの中で、一概にホテルといっても、どういうことを想定しているのか、その点について伺いたいと思います。

以上です。

【知事答弁】まずは、ヘルスケア・ニューフロンティアについて、全体像がわかりにくいというお話がありました。県民に対してもっとわかりやすい、何か具体的な方策はないのかということであります。 確かにそのとおりでありまして、今後の方向性、またどのようなメリットが具体的にあるのかといったことについて、例えばヘルスケア・ニューフロンティア白書というようなものをつくって、県民の皆様に発信してまいりたい、そのように考えております。 続きまして、メディカル・イノベーションスクールについてのお尋ねでありました。 大学院の修士課程というだけで足りるのかといった問題、海外の大学、研究機関との連携というものも必要ではないかと、こういうご質問でありました。 私は、まさにそのように思っております。海外の大学や研究機関とこれまでたくさんMOUも結んでまいりました。こういったことによって構築した協力関係、これを活用しまして、例えば米国でありますとか、シンガポールの大学との連携実現、これを進めていきたいと考えているところであります。 それから、セレクト神奈川100の中での観光産業としてのホテルの誘致ということでありました。 ホテルを誘致することの中で、補助するための要件というのは、次のように考えております。 まず、客室の数が100室以上など、一定の規模を有しているということであります。次に、平均客室の面積が20平方メートル以上など、居住性にもすぐれた構造であること、それからまた、外国人観光客が利用しやすいように、国際観光ホテルの施設基準を満たすほか、ホテルの中に外国人観光案内所を設置するということ、こういったことを補助制度を適用する要件として検討していきたい、そのように考えているところであります。 いずれにしろ、インバウンドの観光客の増加に対応するとともに、地域の振興にもつながるようなホテルの誘致、これに取り組んでいきたいと考えております。

ヘルスケア・ニューフロンティアがわかりにくいと、知事もそのとおりだと認めております。白書をつくると言うのですけれども、その白書がまた県民にとってわかりにくいものであれば、元も子もないので、白書が厚いものなのか、ホームページ上でわかりやすく解説されるのか、とにかくわかりやすい取り組みをお願いしたいと思います。

何しろこの政策の成功は、県民の応援がないとなし得ませんので、よろしくお願いします。

次に、メディカル・イノベーションスクール、31年を目途に開設するということでありました。

肝心なことは、この大学院を通して、どのような人材を養成し、それから、その人材が世界的に活躍するのはもちろんのこと、神奈川県にとってどう有益なことをなし遂げていただけるのか、神奈川県がやるものですから、そういったことがぜひ必要な視点だと思います。

この大学院開設については、カリキュラムの検討だとか、何より指導者の選定というのが本当に大事になってくると思いますので、よろしくお願いします。

それから、新たな企業誘致の今インバウンドでホテルが足りない、しかし、こういうことが発信されることによって、既存のホテル、それから、例えば箱根を中心とする、ああいう宿泊施設がどうなっちゃうんだという不安の声も同時に出てくると思います。

これについては地域性もあるんだと思います。そういう条件に合致するからどんどん来てくださいというのも、方向性はそうなのかもしれないですけれども、そういった皆さんに丁寧な説明が前もって必要なのかと思いますので、ぜひその点について工夫をしていただきたいと思います。

オリンピックのセーリング競技については、先ほども申しましたけれども、何しろ開催地の地元の皆さんの理解、それから、地元の皆さんの要望がどれだけ組織委員会に届くのかというのは、神奈川県の力だと思いますので、ぜひその点の工夫をよろしくお願いします。


行財政改革について

質問の第2は、行財政改革についてであります。


県税収入の見通しと当初予算編成の考え方について

初めに、県税収入の見通しと当初予算編成の考え方について伺います。

最近の我が国の経済情勢は、平成28年3月期の企業収益が過去最高益を更新すると予測されており、雇用環境についても、昨年は有効求人倍率が1.2倍と24年ぶりの高水準となり、景気は緩やかな回復基調が続いているとされています。

本県の経済情勢につきましても、横浜財務事務所によれば、個人消費は回復しつつあり、雇用情勢は持ち直しています。また、生産活動も持ち直しの基調であり、企業の設備投資は増加見込みとの判断が示されております。

このようにアベノミクスの成果が地方にも行き渡りつつあり、この流れをより確かなものにしていく必要があります。

このような中、知事2期目初めての当初予算編成となった平成28年度当初予算案は、県政史上初めて2兆円を超える規模となっており、また、昨年7月に策定した「かながわグランドデザイン」第2期実施計画が本格的に走り出すこともあって、本県は新たなステージに立っているものと考えます。

そこで、知事に伺います。

平成28年度の県税収入について、27年度当初予算額を489億円上回る1兆2,547億円を当初予算案に計上していますが、どのように県税収入を見込んだのかお伺いをいたします。また、こうした税収動向も踏まえ、知事2期目初めての当初予算をどのような考え方で編成されたのか、知事の見解を伺います。

【知事答弁】県税収入の見通しと当初予算編成の考え方についてです。 初めに、平成28年度の県税収入の見通しについて、個人県民税は緩やかな景気回復を背景に所得の伸びが見込めることや、徴収努力により、徴収率の向上が期待できることから、前年度の当初予算に対し、112億円の増収を見込んでいます。 また、法人事業税は、28年3月期の企業収益が増益の見通しであることや、国税である地方法人特別税からの一部復元による増収効果などから、前年度に対し465億円の増収を見込んでいます。 このように28年度の県税収入は主要な税目で増収が見込めることから、前年度の当初予算を489億円上回る1兆2,547億円を計上しました。
【知事答弁】平成28年度当初予算編成の考え方についてです。 28年度当初予算は、「かながわグランドデザイン」第2期実施計画の策定後、初めての当初予算となりますので、この計画で掲げた施策を着実かつスピーディーに実施するための予算を編成いたしました。 私は、これまで「いのち輝くマグネット神奈川」の実現に向け、エネルギーの地産地消や未病による健康長寿、観光振興の取り組みなど、神奈川モデルをつくろうとさまざまな施策に取り組んできました。 超高齢社会を力強く乗り越えていく、そして経済のエンジンをしっかり回していくためにも、これらの施策は引き続き進めていかなければなりません。 今後、こうした取り組みを発展させ、一気に前に進めていく神奈川モデルを世界に発信していきたいという思いを込めて、神奈川モデル創造発信予算としたところです。 28年度は、新たな企業誘致施策であるセレクト神奈川100や、県立高校改革「新まなびや計画」がスタートし、県の大きな施策が次々とネクストステージに入りますが、そのスタートにふさわしい攻めの予算を編成できたと自負しているところです。

中期財政見通しについて

次に、中期財政見通しについて伺います。

本県財政は、今後も義務的経費の増加のほか、公共施設の更新にも多額の費用が生じることが見込まれます。

こうした厳しい財政状況の中では、中期的な視点を持った財政運営が不可欠であり、今後の財政運営の方向性を県民に示していく必要があると考えます。

そこで、知事に伺います。

昨年7月に策定された行政改革大綱では、中期財政見通しを年度内に策定、公表するとしていますが、どのように考えておられるのか、知事の見解を伺います。

【知事答弁】中期財政見通しについてです。 平成28年度当初予算は、27年度の税収増などにより確保した財源を活用して、ようやく収支を均衡させたものであり、本県財政は綱渡りの状況が続いています。 今後、急速な高齢化などに伴い、介護・医療・児童関係費が大幅に増加するとともに、公債費も確実に増加します。こうした義務的経費の増加に加えて、公共施設の更新にも多額の費用が見込まれ、本県の財政運営は一層厳しさを増すことが想定されます。 こうした厳しい財政状況の中で、かながわグランドデザイン第2期実施計画に掲げた施策を着実に推進していくためには、中期的な見通しのもとで財政運営をすることが重要であると考えています。 これまでは、社会保障制度改革や消費税率の引き上げに伴う軽減税率の導入など、本県財政に大きな影響を与える国の制度改正の動向が不透明でしたが、28年度の国の予算編成を経て、一定の方向性が明らかになりました。 そこで、現在、28年度当初予算案の編成結果も踏まえ、今後5年間の収支を推計しており、今定例会中に中期財政見通しをお示ししたいと考えております。

指定管理者制度の運用について

次に、指定管理者制度の運用について伺います。

指定管理者制度の運用に当たっては、我が会派からの提案を受け、平成17年度の制度導入以来、これまでもさまざまな改善がなされてきました。例えば、指定管理業務の一部を再委託する際の県内中小企業者の受注機会の確保、指定管理者選定時における地元企業などとの連携や地域人材の活用に向けた提案に対する評価項目の設定といった見直しに加え、昨年度には、運用基準や手続の透明性を確保するため、指定管理者制度の運用に関する指針が策定されています。

さらに、昨年12月の総務政策常任委員会では、制度を取り巻く環境変化を受けて、「手話言語条例」への対応、労働環境の確保や障害者の雇用促進への対応、管理経費の節減評価方式の見直しなどについて、指針の改正の考え方が報告されたところであります。

大切なことは、これらの改善の取り組みが実効性を伴っているか否かをしっかりと検証することであります。特に、県内中小企業者の受注機会の確保や、障害者の雇用促進については、県内経済の活性化や障害者の社会参加といった県の重要政策にも寄与するものであり、大変重要な課題であると認識をしております。

したがって、県においては、指定管理者が提案に沿って業務を実施しているか、その実効性について担保されるように制度を運用していく必要があると考えています。

そこで、知事に伺います。

指定管理業務を第三者に再委託する際の、県内中小企業者の受注機会確保や障害者雇用企業への優先発注について、その実効性を確保するためにどのように対応していくのか、知事の見解を伺います。

【知事答弁】指定管理者制度の運用についてです。 県では、これまで指定管理者に対し、施設の警備や設備の保守点検など、業務の一部を委託する際には県内中小企業者の受注機会の確保に努めるよう要請し、その取組方針を選定の評価対象にすることで、地域経済への配慮を促してきました。 また、今回改正する運用指針の中で、障害者の雇用を促進するために、障害者の雇用や福祉的就労に取り組んでいる事業者への優先発注を新たに盛り込むこととしています。 先ほど議員から、県内中小企業者の受注機会の確保や障害者雇用の促進について、指定管理者に促すだけでなく、実効性を担保することが重要であるとのご指摘をいただきました。私もまさにそのとおりだと思います。 そこで、今後は、まず県内中小企業者や障害者雇用企業等への優先発注について、指定管理者を募集する際に、できるだけ詳しく提案するよう求めていきます。そして、県として発注実績を確認し、提案内容を実行しているか確認することにより、実効性を高めてまいります。

再質問

答弁いただきまして、2点まず再質問をさせていただきます。

1点目は、県税収入の見通しと予算編成の考え方についてであります。

先ほど知事から厳しい中でも攻めの予算を編成したということでありますが、年明け以降、株価の大幅な下落、それから、中国を初めとする海外経済の動向など、不安材料が出てきております。

ようやく収支を均衡させた28年度予算でありますが、こうした背景を見ると、今後、本県の財政はますます厳しさを増すのではないかと思いますが、この点について、知事はどのような見解をお持ちなのか、お答えをいただきたいと思います。

2点目は、指定管理者制度の運用についてであります。

県内の中小企業や障害者雇用企業への優先発注については、指定管理者が提案した内容と実際に発注した実績、この照合をすることによって、より実効性を確保していくとのことでありますが、照合しただけではさらに先に進みません。

なお実効性を高めるには、そういう提案者がそのように発注していなかった場合、どのように対処するのかということが重要だと思いますが、その点について伺います。

【知事答弁】28年度の県税収入の見込みでありますが、先ほど申し上げたとおりなんですが、確かに議員ご指摘のとおり、年明けに株価の急激な下落があったり、海外の非常に不透明な要因があったりすることによって、先行きというのはなかなか見えにくい状況にあることは間違いないと思います。 そういうことが県税収入に対して影響を与えるということも、当然懸念されるわけでありますけれども、そういった動向をしっかりと注視していくということが大事だというふうに思っております。 特に、法人関係税というのは、景気に大きく左右されることになりますので、今後の税収動向を十分に注視していくということが大事だと思っています。 そして、慎重な財政運営をしていくということも当然必要であると思っております。引き続き職員一人一人が汗をかいて、知恵を絞って、歳入を確保するとともに、最少の費用で最大の効果を生み出せるよう、より効率的な執行を工夫し、予算計上した事業を強力に進めていきたい、そのように考えております。
【知事答弁】指定管理者制度についてでありますけれども、発注実績が提案内容に至らないような場合、どう対応するのかといった問題でありました。 提案時には、具体的にどのような業務を採択する予定なのか、また、その業務には県内中小企業者や障害者雇用企業を活用する予定なのかといった、できるだけ具体的な提案を求めてまいります。そして、実績をモニタリングする中で、発注実績が提案内容に至っていないと、こういったことが判明した場合には、その原因を確認した上で、改善を指導してまいります。 また、提案内容に対する発注実績について、指定管理者の努力の度合いが明らかになるよう、モニタリング結果を全て公表してまいりたい、そのように考えております。

要望

それでは、要望をさせていただきます。

初めに、県税収入の見通しと予算編成の考え方についてでありますが、景気の先行きは不安要素もありますけれども、アベノミクスの成果をより確かなものにするために、本県としても、経済の活性化に向けた取り組みを進めていく必要があると思います。

平成28年度には、新たな企業誘致施策、それから、ラグビーワールドカップ2019、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた準備等々、それから、外国人観光客の誘致促進、県の大きな施策が、知事がおっしゃるように次の段階に向かうところでありますので、経済の活性化に向けた好循環がより生まれるようにしっかり取り組んでいただきたいと思います。

次に、指定管理者制度の運用についてでございますが、優先発注の実効性の確保については、個々の指定管理者が実際に県内中小企業者や障害者雇用企業等への優先発注に取り組んでいるのかといった点について、議会としてもしっかり注視していきたいと思います。

今後、モニタリングして、その提案と実際が違う場合は改善指導すると、それから、公表するということなんですが、今後、優先発注の実施状況については、適切なタイミングで議会にもしっかり報告されるよう要望をいたします。


県民の安全・安心の確保について

質問の第3は、県民の安全・安心の確保についてであります。


地震防災戦略に基づく地震防災対策について

初めに、新たな地震防災戦略に基づく地震防災対策について伺います。

未曽有の災害であった東日本大震災から、はや5年が経過しようとしています。マグニチュード9.0という巨大地震により、死者、行方不明者が2万人を超えるという甚大な被害が発生をいたしました。津波がまちをのみ込む様子は、今でも脳裏に焼きつき、忘れることができません。

改めて、犠牲になられた方々に対し、哀悼の意を表するとともに、被害に遭われた皆様に心からお見舞い申し上げ、被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。

震災発生時には、多くの国民が被災者の悲しみをみずからの痛みと受けとめ、被災地とのきずなを強く持とうとしました。こうした経験は決して風化させることなく、今後の災害対策に生かしていかねばなりません。

東日本大震災の発生以降、国は災害対策基本法など法令や防災基本計画を改正するとともに、南海トラフ巨大地震、首都直下地震の被害想定を公表し、大規模地震防災・減災対策大綱を決定するなど、さまざまな防災・減災に向けた取り組みを進めてきました。

県においても、平成25年1月に「地震災害対策推進条例」を制定し、平成25年度から26年度にかけては、本県に大きな影響を及ぼす地震を対象に地震被害想定調査を行いました。

この調査結果によると、最も被害の大きい大正型関東地震において、3万人を超える死者数が想定をされています。昨年12月に公表された新たな地震防災戦略の素案によると、この想定被害をおおむね半減させることを目標として掲げ、平成36年度までの9年間での目標達成に向け、来年度から減災対策を積極的に進めるとしております。

我が会派としても、大規模自然災害対策の強化は重要課題であると認識しており、東日本大震災による地殻変動で地盤の移動が明らかになる中で、首都直下地震や南海トラフ巨大地震などの発生を危惧する声も多くあり、県が実効性のある地震防災対策、支援体制の拡充や津波対策の強化を図るよう、知事に提言したところであります。

そこで、知事に伺います。

新たな地震防災戦略の初年度に当たり、これまで以上に市町村や県民、事業者と一体となった取り組みを強化していくことが重要であると考えますが、今後どのように地震防災対策に取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。

【知事答弁】新たな地震防災戦略に基づく地震防災対策についてです。 私は知事に就任して以来、県民の命を守ることが最大の使命だという強い思いで地震防災対策に取り組んできました。毎年実施しているビッグレスキューかながわや、かながわシェイクアウト、これはいずれも私が知事になって始めた訓練です。 また、東日本大震災の教訓や国の研究を生かし、本県独自に実施した被害想定調査に基づき、3月中に新たな地震防災戦略を策定します。 さらに、平成28年度当初予算案では、地震災害対策として、過去最大規模の約988億円を計上しました。この中で、道路や橋梁などの都市基盤整備や県立学校の耐震化に取り組むほか、自助、共助の促進の観点から、新たに総額10億円の市町村地域防災力強化事業費補助金を計上いたしました。 この補助金は、これまでの制度より、市町村への補助上限額を大幅に拡大するほか、マンションの耐震診断や消防団の車両も支援の対象に加えました。また、市町村の消防本部に対しても、県内の広域応援のための資機材や車両等を支援の対象としました。 平成28年度から、いよいよ新たな地震防災戦略がスタートします。県は、市町村、県民、事業者と一体となり、県民総ぐるみで地震防災対策に取り組み、災害に強い神奈川を目指してまいります。

防犯カメラの設置促進について

次に、防犯カメラの設置促進について、2点伺います。


県の防犯カメラの設置促進に向けた取組について

1点目は、県の防犯カメラの設置促進に向けた取組についてであります。

県内の昨年1年間の刑法犯認知件数は、平成26年より約5,600件少ない6万1,600件余りと、戦後最悪を記録した平成14年の3分の1以下にまで減少しています。

県では、平成16年に「犯罪のない安全・安心まちづくり推進条例」を制定し、県と県警察の密接な連携のもと、県民総ぐるみで安全で安心して暮らせるまちづくりに取り組んできました。

県内の刑法犯認知件数が右肩下がりに減少している背景には、県警察の尽力はもちろんのこと、こうした取り組みの成果でもあると考えるところであります。

しかし、減少したとはいえ、お年寄りや子供が犠牲になる凶悪事件が全国的に発生しており、安全な暮らしを求める県民の声は切実なものがあります。

犯罪の発生を抑止する上で、現在、最も効果的な方法の一つが防犯カメラの設置であり、今や、治安の確保に欠かすことができないツールとなっています。地域においても、自治会などがみずから防犯カメラを設置する例がふえているとのことであり、県もこうした取り組みを支援してきたことは承知をしています。

そうした中で、今回提案された平成28年度当初予算案を見ると、防犯カメラの設置補助の予算を大幅に増額させるとともに、支援の方法にも変更を加え、制度の充実が図られております。

さらに、本県において開催されるラグビーワールドカップ、オリンピックのセーリング競技大会の期間中は、国の内外から多くの来訪者が見込まれるため、治安の確保は重要な責務であり、これら世界的なスポーツイベントの開催を見据え、地域の防犯力を高めていく必要があると考えます。

そこで、知事に伺います。

県として、安全・安心な神奈川づくりを進めていくため、防犯カメラの設置促進などにどのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。

【知事答弁】県の防犯カメラの設置促進に向けた取り組みについてです。 県は、「神奈川県犯罪のない安全・安心まちづくり推進条例」に基づき、県警察を初め、市町村、県民と連携して、安全・安心なまちづくりに取り組んできました。 県内の刑法犯認知件数が確実に減少していることは、県警察の取り組みに加え、地域が一体となって防犯活動に取り組んできた成果と認識しています。 来るラグビーワールドカップ2019、翌年の東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、さらなる治安の向上に取り組む必要があります。 そこで、市町村や地域の防犯活動をより強力に支援するため、当初予算案で地域防犯力強化支援事業を新たに提案させていただいております。 まず、防犯カメラの整備についてです。 これまでの団体への支援から、市町村を支援する方式とすることで、地域の実情に応じ、必要な場所への整備を促進いたします。今後は、県と市町村が一体となって、これまでにない規模とスピードで防犯カメラの設置促進に取り組みます。 次に、自主防犯活動団体への支援です。 地域が主体的に防犯上の課題を解決する仕組みづくりを進めるため、他のモデルとなる効果的な取り組みを行う自主防犯活動団体への支援をさらに拡大します。 安全・安心は国の内外から来県する方々への何よりもおもてなしです。今後とも、県警察、市町村や地域の皆さんと一緒になって、誰もが安全で安心して暮らせる神奈川づくりに取り組んでいきます。

県警察の防犯カメラの設置促進に向けた取組について

2点目は、県警察の防犯カメラの設置促進に向けた取組についてであります。

最近では、いわゆる防犯だけではなく、あらゆる目的で活用するカメラが普及しています。

中でも、交通事故発生時に威力を発揮するドライブレコーダーは、比較的安価な商品も発売されているため、近年、急速に普及しており、まさに動く防犯カメラとして、固定式の防犯カメラ同様に効果を発揮していると承知をしています。

犯罪が減ったとはいえ、いまだ県民の不安感を増大させる犯罪は発生しており、世界に誇れる治安を確保していくためには、さらなる防犯カメラの設置促進を図る必要があると考えます。

そこで、警察本部長に伺います。

民間の防犯カメラの設置促進の機運が盛り上がりを見せている今を絶好の機会と捉え、今後、さらなる防犯カメラの設置促進を図りつつ、また、県警察もみずから防犯カメラ整備を進め、官民連携により犯罪の起きにくい社会づくりにしっかりと取り組んでいくことが重要であると考えますが、今後、防犯カメラの設置促進に向けてどのように取り組んでいくのか、警察本部長の見解を伺います。

【警察本部長答弁】県警察の防犯カメラの設置促進に向けた取り組みについてお答えします。 現在、県警察では、固定式防犯カメラ100台と犯罪の発生状況に応じて設置場所を移動できるモバイル式防犯カメラ30台を管理運用し、犯罪被害の未然防止などに効果を上げているところです。 また、県民の皆様にも、地域の安全・安心を守る重要な治安インフラとして、防犯カメラを数多く設置していただけるよう取り組んでいるところです。 具体的には、防犯カメラの効果的な設置場所等のアドバイスや自治体による補助事業の紹介を行っているほか、防犯設備士などを防犯コンシェルジュに委嘱し、防犯カメラの設置を検討されている方々に専門的なアドバイスを行っていただいております。 さらに、地域住民、自治体、警察が三位一体となって、防犯カメラの設置に向けた協議会を設立し、地域ぐるみで設置に取り組んでいる事例を紹介するなど、民間の防犯カメラ設置促進に向けた取り組みを強化しております。 しかし、議員ご指摘のとおり、県内では子供や女性を狙った凶悪事件など、県民の皆様に不安感を生じさせる犯罪が後を絶たないほか、ラグビーワールドカップ2019や2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を踏まえれば、県内にはさらなる防犯カメラが必要であると考えております。 また、本年度の県民ニーズ調査によれば、犯罪や事故がなく、より安心して暮らすために最も重要だと思うものとして、防犯カメラ等の防犯設備の整備が1位となるなど、防犯カメラへの期待が高まっております。 そこで、県警察では、県内の治安情勢等を踏まえ、中原警察署管内に固定式防犯カメラ10台を新たに設置するとともに、モバイル式防犯カメラを追加配備するなど、県警察が管理運用する防犯カメラのさらなる充実強化に努めてまいります。 また、防犯カメラに関する相談対応を充実させ、より親切で丁寧な支援に努めるとともに、関係機関、団体等と連携しながら、設置促進に向けた取り組みをさらに強化してまいります。

警察官の増員に伴う組織体制の強化について

次に、警察官の増員に伴う組織体制の強化について伺います。

日々発生する犯罪の被害を食いとめ、良好な治安を確保していくためには、警察組織の体制強化が重要であり、社会の健全な発展のためには欠かすことのできないものであります。

昨年末に示された県民ニーズ調査の結果においても、県民が県政に対して力を入れて取り組んでほしい分野として、治安対策が7年連続で第1位となっています。

ストーカー事案、DV事案や特殊詐欺など、県民に不安を与える犯罪は依然として大きな問題となっており、その対策に万全を期していかねばなりません。

また、国際情勢に目を向けると、フランス・パリで発生した銃器を使用したテロ事件や、世界各国で大勢の民間人が犠牲となるテロ事案が多発し、国際テロ情勢は一層厳しさを増しており、今後、世界的なスポーツイベントの開催地となる本県にとっては、まさに喫緊の課題であり、良好な治安を一層確固たるものにすることが求められています。

我が会派は、これまでも県民の安全・安心を確保するため、県として警察官の増員を強く求めてきたところであります。県民が期待する警察活動を真に達成していくためには、さらなる警察官の増員が必要と考えます。

そこで、警察本部長に伺います。

現下の治安情勢に対応すべく、県民が安全で安心して暮らせる地域社会を実現するため、警察官の増員に伴う組織体制の強化が重要であると考えますが、警察本部長の見解を伺います。

【警察本部長答弁】警察官の増員に伴う組織体制の強化についてお答えします。 昨年の刑法犯認知件数は過去最多を記録した平成14年以降で最少の数値となり、検挙率にあっても高水準を維持しております。 しかしながら、ストーカー、DV事案、児童虐待等の認知、相談件数は年々増加しており、これら事案は重大事件に発展する危険性を常に有していることから、初期の段階から高い緊張感を持ち、迅速、的確に対応する必要があります。 また、特殊詐欺については、抑止対策と検挙対策を両輪とした取り組みを強化しておりますが、被害の発生はいまだ高い水準にあり、予断を許さない状況にあります。 さらに、イスラム国などのテロ組織が我が国をテロの標的に挙げるなど、国際テロ情勢が厳しさを増す昨今、公共交通機関や大規模集合施設が多数所在する本県にとって、まさにテロの脅威は現実のものとなっております。 このような情勢の中、県民からさらなる治安対策を求める声は依然として高く、治安維持の重責を担っている県警察といたしましては、この声に的確に応えていく責務を負っております。 そこで、このたびの本定例会において、厳しい財政状況を認識しつつ、ストーカー、DV事案などの人身安全関連事案、振り込め詐欺を初めとする特殊詐欺、国際テロ情勢の緊迫化など、我が国を取り巻く国際情勢の変化への対策を強化するため、平成28年度に警察官を63人増員する議案を提出させていただいているところであります。 県警察といたしましては、安全で安心して暮らせる地域社会の実現に向け、警察本部の人員を第一線警察署にシフトするなど、限られた人的資源を効果的に活用した組織運営を図るとともに、増員される要員を適切に配置し、現下の治安情勢に応じた強固な組織体制を構築してまいります。

再質問

それでは、1点再質問をさせていただきます。

県の防犯カメラの設置促進に向けた取り組みであります。

知事から、東京オリンピック・パラリンピックに向けてさらなる治安の向上を図るために、防犯カメラの設置促進に取り組むと、非常に前向きな答弁をいただいたと思います。

そこで、この防犯カメラの設置に向けた目標というのが具体的にあれば、ご答弁を願いたいと思います。

【知事答弁】防犯カメラの設置に関する目標ということであります。 今回の新規事業であります地域防犯力強化支援事業の立ち上げに当たっては、昨年から防犯カメラに対するニーズの把握を行っていました。 具体的には、県警察と連携して市町村や自治会のご協力もいただきながら、地域ごとに防犯カメラの設置を求めている箇所を調査いたしました。その結果、今後、防犯カメラの設置が求められている箇所は県全体で約800カ所に上ることが明らかとなりましたので、これが東京オリンピック・パラリンピックに向けた一つの目安になると考えております。

要望

知事並びに警察本部長、本当に前向きな答弁ありがとうございました。

要望させていただきます。

今、知事から県下800カ所を目標にということでございました。こういう数字が示されることによって、地域の自主防犯組織だとか、町内会だとか、課題を持っている皆さん方というのは、こういう数字が出ることによって、自分たちもつけられる可能性がふえたんだということで一つ元気づけられると、それから、こういう目標に向かって自分たちのまちはどうしようかという議論が、新しく始まるということなんだろうと思います。

この防犯カメラの設置促進については、我が会派としても、これまで知事及び警察本部長に強く求めてきたところでありますが、来年度当初予算において、設置促進に向けた制度の充実が図られたことは、我々の主張に沿った施策であると高く評価をしたいと思います。

先ほど申しました。どんなに防犯カメラがふえても、その根底となるのは、地域の防犯意識が基本となって、そこに積み上げられるものだと思いますので、今後ともその取り組みを、県並びに県警としっかり連携をさらに強めていただいて、地域に対して安全・安心の応援エールを送っていただきたいと思いますし、知事がおっしゃっていました、安全・安心が何よりのおもてなしなんだと、そのとおりだと思いますので、今後とも強くこの事業は進めていただきたいと要望しておきます。

続いて、新たな地震防災戦略に基づく地震防災対策でございます。

来年度は新たな地震防災戦略の初年度であります。今後の地震防災対策の方向を左右するかもしれない大事な年だと思います。市町村への支援は大幅に拡充をされましたが、今度は市町村から見ると、そのニーズはさまざまでございますので、その市町村のニーズを的確に把握されて、実効性のある支援をいただきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いします。


県政の重要課題について

質問の第4は、県政の重要課題についてであります。


三浦半島魅力最大化プロジェクトについて

初めに、三浦半島魅力最大化プロジェクトについて伺います。

三浦半島地域の4市1町では既に人口減少が始まっており、また、高齢化率も県平均を大きく上回っていることから、県内でも、県西地域とともに、いち早く人口減少社会と超高齢社会が到来する地域となっています。

そうした中で、三浦半島の特性を生かした取り組みを展開して、人口減少に歯どめをかけるというこのプロジェクトの目標は理解するものであります。しかしながら、この目標を達成することは、決して容易なことではありません。

今回のプロジェクトに先立って策定された県西地域活性化プロジェクトを見てみると、昨年10月に箱根で未病サミットが開催され、国内外から大きな注目を集めることによって、未病の戦略的エリアとしての県西地域の取り組みを先導する役割を果たしました。

もちろん、こうした地域のプロジェクトは、それぞれの地域の特性に応じて、何を打ち出していくのかを決定すべきでありますが、三浦半島のイメージは海と食に象徴されますので、こうした地域が持つ強みを最大限に活用して、まずは観光という視点から、この地域の活性化を図っていくべきであると考えます。

そして、その成功の鍵は、何よりこのプロジェクトの意義や具体的な取り組みの内容を、地域の住民、県民、さらに多くの方々へと浸透させていくことにあります。

三浦半島ならではの海の楽しみ方の紹介や、ブランド力のある農畜水産物の即売会、地元の食材を使用した料理コンテストなど、三浦半島の観光を入り口として、このプロジェクトの全体を見ることができるようなイベントを、例えば、多目的な国際交流拠点を目指している湘南国際村のような場所で開催すれば、三浦半島の魅力を伝えることができますし、交流人口の増加にもつながると考えます。

そこで、知事に伺います。

三浦半島魅力最大化プロジェクトの目標を達成するためには、プロジェクトに位置づけられた一つ一つの取り組みを着実に進めていくとともに、プロジェクトの全体を一つのパッケージにして見せることができるイベントを市町と連携して開催し、さらに多くの人を三浦半島に引きつけ、その魅力を知っていただく必要があると考えますが、知事の見解を伺います。

【知事答弁】三浦半島魅力最大化プロジェクトについてです。 このプロジェクトは、観光に関して、海、食、地域、暮らしに関して、働くと住むという三浦半島ならではの五つの魅力を最大化することを目指して、15項目の個別プロジェクトに取り組むものです。 このプロジェクトを効果的に推進するためには、県、4市1町、民間それぞれが役割分担し、緊密に連携する必要があります。また、持続的、発展的に取り組みを進めていくためには、地元はもとより、広く県内の人や企業に参加していただくことが重要であります。さらに、15のプロジェクトをしっかり連動させ、相乗効果を生み出すようにして進めていくことが必要です。 ご提案いただいたイベントの開催は、まさにこれらの課題へ対応するためにも、大変効果があると考えられます。 そこで、現在策定中のプロジェクト案においては、広域観光の展開プロモーションの柱を立てておりますので、ご提案の趣旨をしっかりと盛り込んだ上で、イベントの開催を地元とともに考えてまいります。

子どもの貧困対策の総合的な取組について

次に、子どもの貧困対策の総合的な取組について伺います。

県では、昨年3月に「子どもの貧困対策推進計画」を策定し、子供たちの将来が生まれ育った環境によって左右されることのないよう、また、貧困が連鎖することのないよう、全庁一丸で取り組んでいると承知をしています。

我が会派においても、子供の貧困対策は県の重要課題であると認識し、昨年、二度にわたり代表質問で取り上げ、県の取り組みなどについて確認してまいりました。

こうした中、我が会派が提案し、昨年8月に実施された、ひとり親家庭アンケートの結果が12月に公表されました。

その内容を見ると、ひとり親の就業状況の過半数がパートやアルバイトなどであり、家族全体の1年間の収入が200万円未満の家庭が4割を超えていること、さらに、公共料金の支払いができなかった、または滞ったことがあるという方が実に3割という非常に厳しい生活状況が明らかとなりました。

国においては、ひとり親家庭に支給されている児童扶養手当について、来年度から2人目以降の子供への支給額の倍増が決まり、そのほかにも、ひとり親に関する新たな施策の実施に向けて調整が進められているとのことであります。

県においても、我が会派が取り組みを促した結果、平成28年度当初予算案に新たな取り組みとして、子供の貧困対策に関するポータルサイトの開設や、子供、青少年の居場所づくりなどが盛り込まれていますが、あわせて、既存事業の拡充も含めた総合的な取組みが必要であると考えます。

そこで、知事に伺います。

子供の貧困対策を総合的に推進するために、平成28年度はどのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。

【知事答弁】子どもの貧困対策の総合的な取り組みについてです。 県は、昨年3月、「県子どもの貧困対策推進計画」を策定し、全ての子供たちが自分の将来に希望を持てるよう、教育の機会の保障、生活の安定、保護者の就労の確保、家庭の経済基盤の維持の四つを基本方向として対策に取り組んでいます。 平成28年度当初予算案では、この基本方向に沿って取り組みを強化することとしています。 具体的な取り組みとして、まず、教育の支援では、課題を抱えた児童・生徒の家庭などに働きかけ、関係機関等につなぐスクールソーシャルワーカーの増員や、経験の浅いスクールカウンセラーに対するアドバイザーの配置などにより、相談体制を強化します。 次に、生活の支援では、子供、青少年が夜間に安全・安心に過ごすことができる居場所の提供や、児童養護施設を退所した子供に自立のための資金を貸し付ける事業を開始します。 保護者に対する就労の支援としては、看護師などの資格取得を目指すひとり親に、就学中の生活費を給付する期間を延長するほか、新たに入学や就職に必要な費用を貸し付ける事業を開始いたします。 経済的支援としては、国の制度改正を受け、児童扶養手当の第2子以降の手当額を8月分から倍増します。 さらに、こうした県の取り組みに子供の視点を反映するため、高校生や大学生が参画して施策を提案する、かながわ子どもの貧困対策会議を新たに設置いたします。 県としては、全ての子供たちが生まれ育った環境によらず、自分の将来に希望を持てるよう、また、貧困が世代を超えて連鎖することのないよう、市町村やNPOなどともしっかりと連携し、子供の貧困対策を総合的に推進してまいります。

県立教育施設全体の今後の整備について

次に、県立教育施設全体の今後の整備について伺います。

教育委員会が所管をしている県立学校や社会教育施設については、耐震化や老朽化対策に向けた取り組みや、施設の再整備などが喫緊の課題となっています。

教育委員会では、これまでも「まなびや計画」によって、高校校舎の耐震化や特別支援学校の整備に重点的に取り組んできたことは承知をしていますが、良好な教育環境を整備していくことは、現在の子供たちや保護者のためだけでなく、将来の子育て世代を神奈川に引きつける大きな要素になります。

また、県民の文化振興や生涯学習の推進に向けて、社会教育施設を整備していくことも、心豊かな県民生活を育む環境づくりを果たしていく観点から、重要な課題の一つであります。

本県を取り巻く財政環境は、引き続き厳しいものがありますが、教育への投資は将来の神奈川の発展につながるものであり、県民の期待も大きい教育施設の整備に対しては、大胆かつスピード感を持って取り組むべきであります。

特に教育委員会では、老朽化が著しい県立体育センターについて、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の事前キャンプにも対応できるよう、全面的な再整備に向けた取り組みを進めています。

本県では、健康寿命日本一を目指し、未病を治す取り組みなどに政策の力点を置いていますが、体育センターは、運動・スポーツ面からこれを推進していく重要な施設であります。

体育センターは、屋内、屋外にさまざまな競技施設を抱える大規模な施設であり、再整備に向けては、民間活力を活用するPFI方式と、県直営方式を組み合わせて対応していく方向でありますが、再整備後の姿について、県民に示す時期が来ていると考えています。

そこで、教育長に伺います。

県立教育施設全体の今後の整備について、どのように取り組みを進めていこうと考えているのか、また、体育センターの再整備については、どのように整備していこうとしているのか、教育長の見解を伺います。

【教育長答弁】県立教育施設全体の今後の整備についてお尋ねがありました。 県教育委員会では、これまで「まなびや計画」による計画的な耐震化の取り組みを進めるとともに、老朽化に伴う施設設備のふぐあいに対しては、必要な補修工事をその都度実施するなど、その保全に努めてきました。 こうした中、県立教育施設の多くが設置後相当な年数を経過していることから、今後は施設全体をリフレッシュする総合的な老朽化対策を実施し、施設の長寿命化を図っていく必要があります。 そこで、まず県立学校については、平成39年度までの12年間を計画期間として、事業規模約1,500億円を見込む新たなまなびや計画を策定し、県立高校改革と整合を図りながら、計画的に校舎の耐震化、老朽化対策を進めていく予定です。 特に、子供たちや保護者から要望が多く寄せられているトイレ整備については、洋式化等を中心に、今後8年間で集中的に施設の改善を行ってまいりたいと考えています。 また、社会教育施設についても、貴重な資料を保全し、後世に引き継ぐ観点から、まずは来年度当初予算で約7億円の予算を計上し、設備の更新や改修を図ってまいります。 次に、体育センターの再整備についてですが、新たな施設として、総合教育センターの機能と体育センターの管理機能などを集約した本館棟、パラスポーツの推進拠点とする第2アリーナや屋内50メートルのプール、教員研修や合宿などに活用する全室バリアフリーの宿泊棟などを整備する計画としています。あわせて、陸上競技場のスタンド改築や球技場の一部人工芝化などに取り組み、敷地のほぼ全体にわたる総合的な再整備を図ってまいりたいと考えております。

近代美術館鎌倉館について

次に、近代美術館鎌倉館について伺います。

近代美術館鎌倉館は、昭和26年の開館以来、65年にわたり数多くのすぐれた展覧会を開催し、国内はもとより、海外からも高い評価を得てきた、公立美術館の先駆けと言える存在でありました。

今年度は、鎌倉からはじまったと題する展覧会を3期にわたって開催し、美術館としての軌跡をたどる数々の所蔵品を展示したところ、多くの方々が美術館を訪れたとのことであります。その展覧会も、この1月31日をもってピリオドを打ち、近代美術館鎌倉館は65年に及ぶ活動に幕をおろしました。

一方、その建物は、近代建築史において非常に高い評価を得ている故坂倉準三氏の設計によるものであり、モダニズム建築の英知がこの鎌倉館の設計に生きていると言われているため、県民の方々から、保存の声が数多く県に寄せられてきました。

県は、美術館活動終了後の建物の扱いについて、土地所有者である鶴岡八幡宮と協議を重ね、新館棟と学芸員棟は県で除却をし、本館棟の建物は保存の上、鶴岡八幡宮に引き継ぐ方向で調整が進んでいると承知をしています。

しかしながら、これまでの報告では、鶴岡八幡宮との借地契約はこの3月末で終了するとのことであり、保存される方向である本館棟の耐震上の問題も残されたままであります。

そこで、教育長に伺います。

こうした状況の中、近代美術館鎌倉館の今後については、どのような対応を図っていこうと考えているのか、教育長の見解を伺います。

【教育長答弁】近代美術館鎌倉館についてお尋ねがありました。 近代美術館鎌倉館は、本年1月末をもって展覧会活動を終了いたしました。今後は、鎌倉館が果たしてきた役割を葉山館と鎌倉別館の2館で引き継いでまいります。そのためには、鎌倉別館の施設機能の改善、充実を図る必要がありますので、まずは改修工事に向けた設計を来年度にかけて行う予定です。 また、鎌倉館の本館棟、新館棟、学芸員棟の3棟のうち、耐震性や老朽化の課題がある新館棟と学芸員棟については、平成28年度に除却工事を実施する予定です。 この除却工事には一定の期間を要することから、鶴岡八幡宮との現行の借地契約について、1年間延長したいと考えております。 一方、本館棟につきましては、これまで鶴岡八幡宮と調整を重ねてきた結果、これを保存し、鶴岡八幡宮に引き継ぐことで協議が整ったところです。 今後は、本館棟を保存するための耐震化対策の方法や経費の負担等について、県指定の文化財として保存していくという方法を視野に入れながら、引き続き鶴岡八幡宮と協議してまいります。 こうした取り組みを一つ一つ着実に進め、2館体制での美術館活動の継続や本館棟の保存に関してしっかりと道筋をつけてまいります。

再質問

それでは、再質問を2点させていただきます。

まず、1点目は、三浦半島魅力最大化プロジェクトについてであります。

先ほど知事から、提案の趣旨に沿ったイベントを開催したいという答弁がありましたが、どのような方向性のイベントをいつごろやるのか、お答えをいただきたいと思います。

【知事答弁】三浦半島魅力最大化プロジェクトのイベントについてのご質問でありました。 このイベントの方向性でありますけれども、できるだけ多くの皆様にお越しいただきまして、プロジェクト全体が広く周知できるようなイベントとして、あわせて地元や参加者の皆さんが交流し、個別のプロジェクトとの連携が促進される機会になればと考えております。 それには、三浦半島の豊かな食、観光資源、これらを組み合わせ、三浦半島らしいプログラムを用意して、楽しいイベントにする必要があると考えております。 なお、イベントの実施時期についてですが、この秋の開催を目指して、4市1町と協議してまいりたい、そのように考えております。

2点目は、県立教育施設全体の今後の整備についてでありますが、県立体育センターについて、教育長から新たな施設の建設を初め、敷地のほぼ全体にわたる総合的な再整備だというご答弁をいただきました。

「まなびや計画」の予算1,500億円、12年間という数字は出ていましたが、体育センターの再整備は相当大きなプロジェクトになろうかと思います。その総事業費について、現時点でどのくらいの規模を見込んでいるのか、伺いたいと思います。

【教育長答弁】体育センター再整備に係る総事業費についてのお尋ねです。 再整備に当たりましては、平成28年度当初予算案で計上している費用も含めて現時点で全体の整備費を約280億円と想定をしております。

要望

それでは、要望させていただきます。

三浦半島魅力最大化プロジェクト、これは広域自治体としての神奈川県が、地方創生に向けていかに効果的な施策を打てるかどうか、これを試されていることだと思いますので、このことは必ず成功させて、三浦半島のプロジェクト、人口減少を含めて大きな課題であります、解決に向けて取り組んでいただきたいと思います。

この4月からは、横横道路が値下げになります。まだまだ三浦半島ではアクセス面でいろいろな形で整備していかなきゃいけないことが山積みでございますので、その辺もあわせて、どうぞよろしくお願いしたいと思います。

県立教育施設全体の整備についてでありますが、大変大きな整備が始まると、「まなびや計画」でございますが、いつも私は思うのですが、そういう大きなプロジェクトが始まると同時に、再編統合で残念ながらなくなってしまう高校があると。そういうところの生徒さんが、それまでの間、どういう気持ちでいるのかということを鑑みますと、そういう施設も含めて、細かい支援をしていただきたいと思っています。

それから、高校用地などというのは、取得のときにその近隣の人たちの、教育のためならという協力が大変あったと聞いています。ですので、知事もおっしゃる人生100歳時代、いろいろな形で施設が足りないことでありますので、高校用地の跡などは、そういうことを十分考えていただいて、県民のために楽しめる、活動できる場を確保して残していただきたいと思います。

それから、近代美術館鎌倉館でございますが、これは県の指定の文化財を視野に入れて残していくということでございまして、調べましたら、指定文化財は戦後の建築物では県内初になるのでしょうか、そういった方向が出たということは大変喜ばしいことであります。可能な限り早い時期に実現するよう取り組んでいただきたいと思います。


おわりに

いずれにしても、さまざまな課題について質問をさせていただきました。

今回は予算議会でございます。そして、県の施策が大きく変わる-変わるというか、次のステップに移る大事な時期でございますので、議会としてもしっかり議論を重ねながら、将来に間違うことがないよう、チェック機関としての役目を果たしていくことを約束して、私の質問を終わらせていただきます。

ありがとうございました。

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